24時間換気システムとは、従来の自然換気とは異なり、強制的に室内の空気の入れ替えを自動的に行う事を可能とした「換気設備」のことじゃ。
24時間常時強制的に換気できる環境を整えるための換気設備の導入は2003年(平成15年)に法的に義務化され、義務化に伴い急速に普及してきた経緯がある。
そして、現在では建築業界が抱える大きな課題であり、常に問題として話題に登る「シックハウス対策」の対策手段としても非常に有効であるとして急速に認知度が高まってきておる。
また、令和に入り猛威を振るうコロナ禍では24時間換気システム(常時換気設備)の重要性や正しい活用が求められるようになってきておる。
しかし、24時間換気システムの設置義務化に伴い、建築コストの向上、ファンを常時稼動させる電気代、いわゆるランニングコストの向高騰化などの問題も発生しておる点を忘れてはいかんのお。
24時間換気システムってそもそも何だろう?
そんな入門者の方の為に、まず24時間換気システムの概要について確認しておくとしよう。
左の図は24時間換気システムの3種類の主な換気パターン・換気方式別の空気の流れを示しておる図じゃ。
各換気システムの特徴や利点・欠点は後術していくことにするが、この図を見ると「機械給気」・「機械排気」そして「自然給気」・「自然排気」という言葉が記載されておることがわかるのぉ。
24時間換気システムとは、このような給気と排気(空気の入れ替え)を専用の機械換気システムを利用して強制的に行う換気システムの事を言うのじゃ。
新築住宅を建築する場合は、この24時間換気システムの設置が義務化されておる。
その為、どの種類のシステムを採用していくのか?という事は設計段階から検討していく必要があるのじゃな。
尚、設置後に必要となる毎月の電気代や、北国では冬場の結露に対する問題など、どのシステムが自分の居住地域に適しており、また電気代などのランニングコスト面が節約できるのか?についても事前に把握しておきたいポイントと言えるのぉ。
※結露の発生しやすさや毎月の電気代は換気方式によって異なる特徴をもつ
基本的な知識を身につけた上で、ここからはより具体的に24時間換気システムについて学習していくとしよう。